自然界には驚くべき仕組みや機能を備えている生物が数多く存在しています。それらを模倣し(バイオミメティクス)、発展(バイオインスパイアード)させることで、新しい技術や材料を開発しようとする研究が盛んになされています。本講演会では、深海生物から身近なアブラムシやムール貝まで、様々な生物に着目した最先端の研究に携わる3名の講師の方に講演いただきます。皆様のご参加をお待ちしております。
日時:2024年10月11日(金)13:30〜17:00(12:45 受付開始)
主催:プラスチック成形加工学会関西支部、京都合成樹脂研究会
協賛:京都市産業技術研究所ユーザーズコミュニティ、京都府プラスチック協同組合、 (一社)西日本プラスチック製品工業協会、(一社)日本接着学会関西支部、京都グリーンケミカル・ネットワーク、SPE日本支部
定員:80名
参加費:
支部会員:2,000円
協賛団体会員:3,000円
一般:4,000円
学生:1,000円
お申し込み頂いた方には、後日請求書を送付いたします。
参加申し込み方法
こちらからお申し込み下さい
13:30-
開催挨拶
13:40-14:40
出口 茂 氏(国立研究開発法人海洋研究開発機構)
「深海インスパイアード化学:深海の自然史から発想する材料化学の新展開」
自然は常に科学の進歩を促す発想の源泉であり、それは深海とて例外ではない。本講演では深海の極限環境や深海生物の生存戦略に発想を得た「深海インスパイアード化学」を概説する。 圧力に応答する高分子を利用したサステナブル材料開発、高温・高圧水の特性を利用したボトムアップのナノ乳化プロセス、ナノファイバーの大表面積を活用した深海微生物資源の開拓を例に、深海の自然史から得た発想に高分子化学やコロイド・界面化学の知見を加えて生み出す材料化学の新たな展開を紹介する。
14:50-15:50
藤井 秀司 氏(大阪工業大学)
「リキッドマーブル工学:自然から学ぶ液滴の機能化」
講演者は、界面自由エネルギーを駆動力とする粒子の自律的な界面吸着現象に注目し、高分子粒子の気液分散体の安定化剤としての利用を提案している。本講演では、気中液滴型気液ソフト分散体であるリキッドマーブル、ドライリキッドについて、講演者らが取り組んできた研究について紹介する。
16:00-17:00
緒方 雄大 氏(積水化学工業株式会社)
「ムール貝の分泌物に着想を得たフッ素樹脂の接着」
フッ素樹脂とは、分子中にフッ素原子を含む高分子で耐熱性、耐薬品性、電気的特性、非粘着性、自己潤滑性に優れる一方で、非常に接着し難いという課題がある。当社では、この課題を解決すべく、ムール貝の特殊な分泌物が幅広い材料に接着するという現象に着想を得て、フッ素樹脂にも接着できる粘着テープを開発した。本講演では、上記粘着テープの特徴に関して紹介する。
連絡先:
プラスチック成形加工学会関西支部事務局
滋賀県立大学工学部材料化学科 竹下宏樹
tel: 0749-28-8356
e-mail: event2024@jspp-kansai.jp