第41回講演会「インフラ関連部材の長寿命化・更生化・難燃化」

 今年のG20・大阪サミットで「マイクロプラスチック問題」が議題に取り上げられ、高分子樹脂材料の「長寿命化・再生化・更生化」の技術が注目を集めています。また、過日の京都アニメーション放火事件等の建物火災での痛ましい状況が報道される度、高分子樹脂材料の「難燃化」技術の重要性も喫緊の課題として社会に広く認められるようになってまいりました。
 本講演会は、「インフラ関連部材の長寿命化・更生化・難燃化」について、高分子樹脂材料の劣化・難燃化のメカニズムといった“微視的視点”と、さらにはインフラ部材の延命を図る上で重要な更生化技術という“工学的視点”の複眼的な観点から考える講演会となっております。

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日時:
2020年1月9日(木) 13:30〜
会場:
大阪市立大学文化交流センター
〒530-0001
大阪大阪市北区梅田1-2-2-600大阪駅前第2ビル6階(TEL: (06) 6344-5425)
https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/academics/institution/bunko

参加費:
支部会員 3,000円、非支部会員 5,000円、学生 1,000円
申し込み・問い合わせ先:
プラスチック成形加工学会関西支部事務局
竹下宏樹(滋賀県立大学工学部材料科学科)
tel: 0749-28-8356、 e-mail: event2019@jspp-kansai.jp

13:30-14:30
本間秀和 氏(株式会社KRI)
「温水用PEの長期耐久試験による劣化メカニズムの解明と加速劣化試験方法の検討」
ガス・水道管や給湯配管としてPEは、数十年以上の耐久性を求められるものである。今後も普及が促進され、長寿命化やコストダウンが望まれるなかで、劣化メカニズムを解明し、それに応じた加速劣化試験を確立する必要がある。本発表では、温水用PEの長期試験品をFT-IR、Raman、FE-EPMAの元素・構造マッピング技術を用いて詳細に分析し、劣化メカニズムの考察から更に、オリジナルな加速試験方法を検討して短時間にて原料の異なるPE管の耐久性の違いを検討した結果を紹介する。

14:40-15:40 
藤井重樹 氏(ヒロセホールディングス株式会社)
「インフラの管路更生工法(SPR工法)の開発」
戦後、建設された社会インフラは急速に老朽化し、建設後50年以上経過する割合は加速度的に高くなる。私達の生活にとっても経済活動にも大きな課題で老朽化するインフラを更新し強靭にする事が必要で、プラスチックの役割は非常に大きい。老朽化した下水管が埋設されている道路下には水道管やガス管等が数多く埋設され非開削での更新技術が必要になる。今回はそれを実現したSPR工法の設計、材料、成型、生産、施工技術について述べる。

15:50-16:50
大越雅之 氏(難燃材料研究会会長、山口大学)
「難燃の規制状況の変化(日本および世界)と具体的な技術」
難燃化の技術目的は、延焼の遅延であり、火災からの避難する時間を稼ぐことにある。それにより、火災から「人命」と「財産」を守ることが目的となる。近年の難燃/不燃化技術はゲイリュサック、パーキン等時代の偉人たちによって成し遂げられ、その後、生活の質の向上とともにもらい火・発火防止の予防措置として難燃機能は発展した。その過程で化学物質安全についても議論され、三酸化アンチモンとTBBPAは、RoHsへの規制検討過程にある。火災からの生命や財産を守る難燃材料は、化学物質安全についてリスクバランスという観点からの議論も生じており、その状況も併せて説明する。最新の技術情報については、環境適合性を目指した難燃材料が開発されており、その紹介をする。